女性の病気 膵臓

急性膵炎発症時に体内で起こる合併症を簡単に読め完治できるような医学的な解説

急性膵炎で起こる合併症を解説

急性膵炎で起こる合併症を解説

突然、お腹の痛みが出て夜間診療に行くと、急性膵炎と診断され、大型の病院に搬送され、2週間入院しました。私の病状は、かなり重症だったみたいで、合併症を引き起こしたみたいです。腹膜炎と腎不全を併発し、手術はまぬがれましたが、腎臓機能が低下し、経過観察です。急性膵炎はとてもこわい病気なんですよね。急性膵炎の合併症がどんな症状なのか教えてください。

このような急性膵炎の合併症のお悩みをこの記事では解説します。

私は大阪を中心に女性限定、自宅出張スタイルでパーソナルトレーニングを21年実施してきましたトレーナーのtakです。

急性膵炎は膵臓がんに悪化したり、他の臓器に影響をおよぼしたり、重篤な病気に発展するリスクが高い病気です。

この記事では、急性膵炎で引き起こす他の臓器への合併症を詳しく見てきます。

1度急性膵炎にかかると、慢性膵炎をはじめとする細胞死のリスクがありますので、そのようにならないように、この記事では急性膵炎の合併症の知識を深めていきましょう。

この記事を読んで分かること

  • 急性膵炎の合併症は細胞死を引き起こすリスクがある
  • 急性膵炎はもともとに食習慣や運動不足、環境から受けるストレスからくる
  • 急性膵炎の合併症は他の臓器が機能不全を起こすケースも出てくる

急性膵炎で起こる合併症を医学的に解説

急性膵炎で合併症が起こるということは、それだけ重症の膵炎だったと言え、膵臓だけが弱るのではなく、他の臓器も弱らせていきます。

急性膵炎が合併症を引き起こすぐらい重症化する原因は、膵臓が炎症反応となり、大量の炎症物質を放出するからです。

全身を巻き込んでしまう炎症物質とは、炎症性サイトカインと言います。

膵臓に負担をかける生活習慣によって、膵臓から分泌される消化酵素が膵臓内に溜まり、細胞を破壊し、そこから血液が細胞内に流出します。

急性膵炎の原因は、高カロリー食を長年摂取し続けて消化酵素の分泌が過度になってしまったり、からだが受け入れるキャパを超えてアルコール摂取したりで、消化酵素の分泌の頻度が多いと、膵臓の酵素が膵臓に残され、それらが自己細胞を消化し、炎症が起きます。

このとき、血液が細胞内に流れ出るとこの情報が血管が血液がいつもより大量に流れ出ることにより広がります。

血管が広がると、血管の細胞に含まれている炎症物質がすぐに反応し、広がった血管を元に戻そうとしてくれます。

この炎症物質が炎症性サイトカイン。
広がった血管を元に戻そうとすると聞くと、からだにとって良い反応をしてくれていると思いますよね。
炎症性サイトカインは、多くの場合、骨髄で産生する白血球の放出量が多くなり、膵臓以外にも運ばれるので、決してからだに良い反応をしてはくれません。

急性膵炎は特に炎症性サイトカインが大量に出るのです。
その理由は、急性膵炎では膵臓を消化するのが膵臓が産生する消化酵素ですので、強力な酸性物質です。

膵臓の消化酵素は人が生きていくために欠かせない三大栄養素を消化分解できますから、強力なので細胞内の炎症反応も大きく出てきます。

炎症性サイトカインは、膵臓が膵液で消化された組織の傷害から回復するために必要ですが、大量のサイトカインが分泌されるので、全身の細胞も壊します。

炎症性サイトカインは、血管の透過性を亢進(こうしん)させ、これによって血管内外の水分やたんぱく質などを交換します。

この交換作用は、炎症物質の動きも大きくなり、全身に移動していくのです。

高カロリー食を長年摂取し続けて消化酵素の分泌が過度になってしまったり、からだが受け入れるキャパを超えてアルコール摂取したり、膵臓の酵素が膵臓を消化すると、炎症が起きます。

では、急性膵炎で起こる合併症を解説します。

takの出張パーソナルトレーニング
大阪堀江・新町にお住まいの方限定の出張パーソナルトレーニング

堀江・新町限定出張パーソナルトレーニング

上記以外にお住まいの女性の出張パーソナルトレーニング

上記以外にお住まいの女性の出張パーソナルトレーニング

takのメンタルトレーニング
takのメンタルメソッドでメンタルから改善したい女性向けのメンタルトレーニング

takのメンタルトレーニング

腹腔内の異常

急性膵炎で起こる合併症の1つ腹腔内の異常は、全身の血管透過性の増強による、血管内から血管外への大量の水分移動です。

血管透過性の図

参考記事:公益社団法人|血管透過性のダイナミックかつ巧妙な制御を可能にするシグナル伝達系

公益社団法人|血管透過性のダイナミックかつ巧妙な制御を可能にするシグナル伝達系

大量の水分が血管内と血管の外を移動するとどうして合併症を引き起こすのでしょうか?

その理由は、人の体内は細胞の内側と外側の体液の濃度のバランスを保つ機能があります。
そのようにしておかないと、細胞を健全に維持させるカルシウムイオンやナトリウムイオンなどのバランスが壊れるからです。

膵臓の細胞が自己消化されると、炎症物質が放出されるので、血管が広がり、水分が移動し、それらが炎症物質を運んでしまうのです。

膵臓の細胞から放出された炎症物質が、血管内と血管外の水分の流出によって、遠くの部位まで運ばれてしまい、悪化します。

膵臓の細胞を消化酵素が残されて自己消化すると血管が広がり、炎症物質が出ます。
このとき炎症物質が血管を広げる反応によって、血管は正常な状態だと血管は収縮して締まっているのが、広がって緩みます。

緩みがあると、血管の外壁が水分を通しやすくなるため、血管の中の水分は血管外に出ていき、血管外の水分は血管内に移動します。

このとき、血管からしみ出た水分が、腹腔内の異常を起こします。

膵臓の細胞付近の血管から水分が漏れでて、腹膜の血管に炎症反応を起こし、ここでも血管透過性の増強によって、滲出性(しんしゅつせい)腹水が溜まります。

滲出性腹水とは?
滲出性とは、細胞の炎症で細胞の組織の性質が変わり、保っていた水分がにじみ出ることで、その水分の行き場がなくなり、腹腔に溜まっている状態。

この腹水には、炎症物質が溶けてますので、腹腔内に残される時間が長いほど、炎症反応が広がっていきます。
例えるなら、大雨で川の水が氾濫し土石が民家に流れると、泥水を少しでも早く外に出さないと、家に使用されている資材が使いものにならなくなります。

この例えと同じように、炎症物質を含んでる腹水が体内に長く残っていると、そこにある細胞が使えなくのです。

がん(癌)を発症し、炎症反応が強くなると、急性膵炎と同じメカニズムで水分が滲出し、腹水が溜まりますが、医療では腹水の除去を徹底的に実施するのは、がん以外の細胞が弱るからです。

腹水が長く溜まると、そのうちリンパを炎症反応をさせ、さらに悪化すると腹腔の表層を覆っている腹膜にも炎症反応し、腹膜の血管を透過性の増強が起こると、急性腹膜炎に悪化します。

さらに麻痺性イレウスと言われる腸のぜん動運動がストップする腸閉塞へと発展します。

麻痺性イレウス(腸閉塞)とは?
炎症物質を含んだ腹水が腸に達すると、腸に炎症反応を起こし、腸のぜん動が完全ストップする状態。
放置すると、消化分解された食べ物の塊が、腸管の入り口で詰まってしまい、腹痛や嘔吐反応を起こします。

参考記事:イレウス-03.消化器の病気|MSDマニュアル家庭版

イレウス-03. 消化器の病気|MSDマニュアル家庭版

肺の異常

急性膵炎で炎症反応が起こり、血管透過性の増強で滲出した水分が胸膜腔(きょうまくくう)に溜まると、そこに位置する肺の病的な異常が出てきます。

腹膜の状態と同じく、胸水(きょうすい)という胸膜腔に水分が溜まります。
胸水は、胸膜腔から肺の内部に滲出し、肺間質や肺胞内に溜まってくると、肺水腫が起こります。

肺水腫の画像

参考画像:肺水腫(はいすいしゅ)|社会福祉法人 恩賜財団済生会

肺水腫(はいすいしゅ)|社会福祉法人 恩賜財団済生会

肺には肺胞と言われる酸素と二酸化炭素のフィルターの役目をする袋があり、そこにはたくさんの毛細血管が広がっています。

この参考画像で見て頂くとよくわかりますが、正常な肺胞には水が溜まっておらず、空洞ですが、肺水腫の肺胞に水分が溜まっています。

これでは、成分が気体である酸素と二酸化炭素はうまくガス交換できませんので、海で溺れたときのように呼吸ができない状態なのです。

胸膜腔に溜まる胸水をスムーズに除去しないと、肺胞に炎症反応が起こるだけでなく、呼吸困難になり、重篤な呼吸障害に悪化します。

急性膵炎から発展する呼吸障害は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)と呼ばれる状態となっていきます。

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)とは、重篤(非常に重い)な呼吸不全が現れる病気のひとつです。重症肺炎や敗血症、急性膵炎、多発外傷などさまざまな原因により発症する呼吸障害です。非常に重い呼吸障害が生じるため、酸素投与や人工呼吸器の利用、膜型人工肺の利用なども行われます。命にかかわることも少なくないため、今後新たなる治療方法が開発されることが望まれる病気といえます。
参考記事:メディカルノート|急性呼吸窮迫症候群について

急性呼吸窮迫症候群について|メディカルノート

循環の障害と多臓器障害

急性膵炎の合併症で、循環と膵臓以外の多臓器の障害も起こることがあります。
血管内の水分が不足する状態で起こる合併症について見ていきます。

急性膵炎の合併症で血管に起こる病状は、循環血液量減少性ショックに発展し、そこから急性腎不全を起こしたりします。

  • 循環血液量減少性ショック
  • 急性腎不全

循環血液量減少性ショックは、体内の主要な組織に血液が流れず、酸素を必要とする代謝ができなくなり、酸素を使わない代謝に切り替わる状態です。

つまり、人の呼吸は外界から酸素を気管に取り入れ、酸素を使って代謝システムを作動させていますが、それができなくなると、システムを変更します。

酸素を使わない呼吸の代謝システムは、二酸化炭素を排出しない形式ですので、乳酸と言われる酸性の強い物質が出て、肺胞の中に溜まってきます。

この形式は、一時的にしか使えないシステムなので、長く続くと、細胞への酸素供給が減少し、細胞死につながるのです。

このショック状態は、前述した急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を悪化させ、低酸素状態による血圧の極端な低下から尿の生成や老廃物の除去などの作用ができない急性腎不全を起こすこともあります。

他の合併症では、炎症性サイトカインが全身の循環異常を起こし、血管内の凝固作用が増強し、余計循環異常を起こす状態。
炎症性サイトカインは免疫物質ですので、血管内で組織を治癒させようとしますので、ケガをして血液を止める作用が血管内で起こります。

炎症性サイトカインが血管内に増えてくると、正常な血液成分も消費され、凝固因子や血小板が失われ、皮膚の下の毛細血管から出血することもあります。

この症状を、播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群(DIC)といいます。

播種性血管内凝固症候群(DIC)とは?
播種性血管内凝固症候群とは、disseminated intravascular coagulationの日本語名で、播種とは畑にばら撒く行為を指し、種とはここでは血栓です。

DICは元々、がん、白血病、細菌感染症(この3種類の疾患がDICの約3/4を占める)などの病気(基礎疾患)にかかっている患者さんに生じます。このような基礎疾患がこうじてくると、がん細胞や白血病細胞の表面に凝固反応を開始させる組織因子が現れて、通常の止血時と同様の現象が起きて、全身に血栓が生じます。細菌感染症の場合では、感染が全身の血管や組織に広がった時、「敗血症」と呼ばれますが、このような状態では、細菌の出すエンドトキシン(発熱物質)などが白血球の一種、単球やマクロファージの表面に組織因子を生じさせて凝固反応が始まり、血管内皮細胞の抗血栓性も低下し血栓が生じます。DICでは、このように基礎疾患が悪化して、全身の血管に小さな血液のかたまり(微小血栓)が無数に生じる病態です。細い血管が詰まるため、血流が妨げられて、酸素や栄養などが組織に届かなくなり、腎臓や肺などの臓器障害を起こし、生命に重大な危険をもたらします。
参考記事:一般財団法人日本血液製剤協会|関連疾患 DIC(播種性血管内凝固症候群)

一般財団法人日本血液製剤協会|関連疾患 DIC(播種性血管内凝固症候群)

まとめ:急性膵炎は再発しやすい内科系の病気。合併症を知識を得て完治させよう

急性膵炎は膵臓から炎症性サイトカインと言われる炎症反応を引き起こす物質が大量に分泌されます。

炎症性サイトカインは、血管を拡張させ、透過性を上げるので、全身に炎症物質が流れていきます。
その結果、炎症反応が他の臓器に発症し、膵臓が弱っている状態に追い打ちをかけ、全身を弱らせます。

急性膵炎で起こる他の臓器への合併症は、

  • 腹腔内の異常
  • 肺の異常
  • 循環の障害と多臓器障害
  • 血液系の異常

となります。

急性膵炎を発症したあなたは、合併症によって影響を受けた臓器の機能性が低下していることを知っておかないといけません。

当然ですが、膵臓に負担のかからない食生活や運動、精神的なストレスを抱えないようにする生活リズムを作っていきましょう。

どの臓器に合併症が起きたのかを、担当の医師に聞き、その臓器の機能が高くなるには、1年はかかると考えておいてください。

生活リズムは、そもそもの生き方や考え方にも関連してきますので、急性膵炎で苦しかった経験を活かしてもらいたいです。

キーワード:急性膵炎 合併症
タイトル:急性膵炎発症時に体内で起こる合併症を簡単に読め完治できるような医学的な解説

誰がwhat:膵臓の専門知識があるパーソナルトレーナーが
誰にwhow:急性膵炎で合併症を引き起こしている女性に
何をwhat:急性膵炎発症時に体内で起きてるメカニズムを
なぜ、何のためにwhy:適切な知識を得て急性膵炎が完治できるように
どこでwhere:退院後の自宅で
いつwhen:病院で治療を終えた後
どのようにhow:難しい医学用語を誰でも簡単に読めるようにして
いくらhow mush:無料で教える

特に重要な要素
・ what (何を)
・why(なぜ、何のために)
・how(どのように)

  • この記事を書いた人
アバター

たかひと |コンサルタントコーチ

大学生の20歳にパーソナルトレーナーで個人事業主に。そこからビジネスをスタート。大学卒業後も就職はせずそのままビジネスの世界に。トレーナーとしてマンツーマンで人のカラダを向き合うにつれ、ココロへの関わりの重要性に気づき、大学院で臨床心理士を取得。その後重度精神疾患病棟担当。そこで関わった患者さんに気づいた脳特有の動き。ココロが止まり、脳内の神経作用だけが暴走してしまう反応を見て、脳とココロを分ける体感が得られるようになった。 カウンセラー活動しながらリアルでビジネスを実施。2017年までに13事業を運営し総売上は15億円。しかし固定費をかけすぎて収益化が難しくなり38歳で全ビジネスをクローズに。そこから2年間無職時代を経て、2019年にコンサルティング事業をスタート。意識のつなぎ方を変える時間共有を生み出して乗り越えにくかったビジネスの壁をカンタンに越えられるようになった。 カウンセリングは25,000人以上。
コンサルティングは4,000人以上。

-女性の病気, 膵臓